こんにちはトロです。
【君たちはどう生きるか】
著者 吉野源三郎
定価 1300円
を紹介していきます。
日本PTA全国協議会推薦のお墨付きの名著です
書店に並んでいましたが、中々手に取って読むことをためらってしまった本ですね
テーマが帯にも書かれていますが、
【勇気・いじめ・差別・学問】
今も昔も変わらないテーマに、人間としてどう向き合うべきか。
こんな帯とタイトルがあれば、生半可な気持ちでは読めないと思ってしまうでしょ!
読んだ感想
先にトロが感じた感想からお話しします。
印象的に感じたワード【消費専門家の生活】です。
第4話の貧しき友から
主人公コぺル君が友人の浦川君の家でのストーリー形式で進んでいくのですが、
学校を休み続けてしまっている浦川君が心配になり、コペル君が家に向かいます。
その時コペル君は知ったのですが、浦川君は父親が親戚にお金の工面を頼む為に家を離れていて、
家の油揚げ屋の人手が足りなくなり、浦川君が働いていました。
一週間くらい経って浦川君の元に電報が届き、父親が帰ってくる事に喜びました。
また浦川君も学校に行けます。
その内容に対してコぺル君の叔父さんは、
【もっとも多く生産して世に送り出している人と、何も生産しないでただ消費する人間と、どっちが立派な人間か、どっちが大切な人間か。こう尋ねたらそれは問題にならないじゃないか】
とコぺル君に伝えようとします。
・まず生きていく上で人間は、平等ではない
・お金持ちに対してぺこぺこするの貧乏人は、軽蔑に値する人間だ
・高潔な心を持ち、立派な見識を持っている人なら、たとえ貧乏だとしても尊敬すべき偉い人だ
貧乏であるからお金持ちに対して、従順である必要はありません。高潔な心を持ち、立派な見識を持っている人間に勝る事はありません
この3つにかなり当てはまっている民族がいます。
それは【ユダヤ人】です。
6000年の歴史を持つユダヤ人ですが
奴隷としての迫害や人種差別を受け続けても生き残っているユダヤ人。
現在では、富を持っているユダヤ人が目立ちますが、
彼らは親からの知識をしっかり受け継ぎ、考え、行動にする事で奴隷を脱した人たちだと思っています。
以前、取り上げた101歳の友【エディ・ジェイク】もユダヤ人です。
裕福な暮らしから転落して囚人奴隷の生活を経て、世界で一番幸せな男になったエディ。
彼は、長生きする事でナチス軍に「お前たちが亡くなってほしい私は、今でも生きているぞ!」と最高の復讐をしているとか。
私もお金を持っている人と貧乏の人では態度を変える事は少ないのですが、やっぱりそう見える人はいます。同じ目線に立つ事で人間の輪は出来るのではないでしょうか
登場人物が現代で考えられない生活
主人公コペル君は、父親が亡くなっていますが生活は中流階級くらいだと思います。
母親は、コペル君の事を潤一さんと呼んでいる。
友達の水谷君は、豪邸に住んでいて本館と別館があり、別館が子供部屋という上流階級。
もう一人の友達浦川君は、油揚げ屋で生計を立てている下流階級。
友達はあと北見君がいますが、生活の描写がなく中流階級くらいなのでしょうかね?
正直読んでいて、ここまで格差社会であった時代だったとは思いませんでした。
お金持ちはとことん立派な豪邸を持っていて心身ともに優雅な生活。
貧乏人は、今日生きるので精いっぱいな毎日を送っている生活。
コペル君の立ち位置は、今で見るとお金持ちクラスに見えます。
極端すぎる登場人物を上手くまとめている著者の吉野源三郎氏も凄いのですが、ストーリーに違和感が心の奥底に突いてくる所まで浸透していきます
中学生という、身分は違えど彼らの背景には確実に違いがあります。その後のコペル君たちは、どう考えて生きるのか知りたいですね
ニュートンの万有引力
教科書にも載っているニュートンの万有引力。
トロの印象では、
【リンゴの木からリンゴが落ちてニュートンは万有引力の法則を見つけた】
と学校の授業で教えてもらった気がします。
え?リンゴが落ちるのを見て、閃いたって事じゃないの?
ずっとそう思っていたのですが、この本を読んで解明しました。これだけはネタバレと言われようと教えたいです
ニュートンは、リンゴの木からリンゴが落ちるのを見て考えました。
「リンゴの木より高い場所から落ちたらどうだろう?」
その結果、落ちる事が分かります。さらに上では?もっと上では?と考えていくと、
「じゃあ何故月は落ちてこないんだ?」
という考えにたどり着きました。
それが万有引力の法則の発見です。
リンゴが落ちる=重力を発見した人ではありませんよ。
この本が正しい知識を得る事ができました。
【賢人】叔父さん
各話でコペル君の出来事を、今後に読ませるために文章をまとめている叔父さん。
読者は、どう考えるべきかをコペル君のストーリーと叔父さんのノートで問題・説明解説を受けている感覚になります。
テーマが【勇気・いじめ・差別・学問etc】の一つの答えを叔父さんは、導き出しています。
正直読んで理解は出来るのですが、トロが説明するにはまだ考え方や知識が全然足りていません。
叔父さんの推定年齢は32歳~36歳程度だと思うのですが、もはや博識のあり立派な考えの持ち主で隙のない人間です。
賢人と称して何が悪いのかって思いたくなるほどです。
自分の立場と役割を把握したうえで、どう生きるのかが一番理解している登場人物だと思います
まとめ
300ページ弱と読み応えのある書籍になりますが、
コペル君の生活風景の切り抜きをストーリーにしているので、
もの凄く読みやすい内容になっています。
所々、古い言い回しがありますがその時代の風景を想像できるようになっています
読書が苦手な方は、漫画版も出ているので読んでみてはいかがでしょうか
各話の【どうすればいいのか】って事を常に考えながら読むことが出来ました。
考え方は、無数にある内の一つ一つ違うという事が分かり、
それも正しいし間違っていると言える精神が養われると思います。
正直まとめと言っていますが、一人一人が別々の答えになり又同じ答えであると思います。
この本は、PTAが推薦するくらいのお墨付きなので損はしません!
ではまた~
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